
タイラバのリールを買おうと思うけど、
・ベイトやらギア比やら何が正解なの?
・カウンターって必要なの?
・コストを抑えたいけど安かろう悪かろうで失敗をしたくない。
タイラバのリールを予算に収まるように買ってみたものの、いざ使ってみると搭載されていると思ってた機能がなかったり、あとから実はもっとコスパの良いリールがあることを知るなど、思わぬ失敗をすることがあります。
僕はタイラバ初心者の頃に、カウンター付きの安いリールを買ったものの、糸の出ている量が分かるだけで、巻き上げ速度が表示されずドラグ音も鳴らずガッカリした経験があります。
こういった失敗経験を踏まえ、タイラバ初心者の人がこれからリールを買うとしたら、何に注意する必要があるのか?と言うことと、筆者が厳選したタイラバ用に使えるおすすめのリールを紹介いたしますので、是非参考にしてみてください。
- タイラバのリールを選ぶ際に見るべきポイント7つ
- 予算別のおすすめタイラバリール10台
- タイラバに使えるけどおすすめできないリール5台


<プロフィール>
✔釣り歴15年
✔小型船舶免許持ち
✔週末は天候が合えば出船してタイラバ
タイラバ初心者が知っておくべきリールの選び方 ポイント7つ
タイラバのリールを買おうにも、色んなメーカーがあります。更にはギア比の違いであったり、ボディサイズだったり、カウンターが必要かどうか?そもそもカウンターって何?と、初心者の人にとっては選択肢が多く何がベストなのか分かりにくいと思います。
ここからはリールを選ぶためのつの7つのポイントを解説していきますので、それぞれの項目ごとに自分は何を選ぶべきかメモしていき、予算範囲の中でベストのリールを選んでみてください。
- リールの種類
- ボディサイズ
- ローギアとハイギア
- ダブルハンドルとシングルハンドル
- カウンターの有無
- ドラグの音の有無
- フォールレバーの有無
①リールの種類
リールの種類が、ベイトリール、スピニングリール、変わったところでは電動リールがあります。
ここからは、それぞれの特徴を解説しますが、先におすすめを言うと初心者の方が最初に買うべきはベイトリールです。
ベイトリールの特徴
- タイラバの基本である縦の釣りをしやすい
- 親指一つだけでタイラバをフォールさせることができる
- サミングしやすい
- カウンター付のモデルがある
- キャストにはコツが必要
タイラバと言えば一般的にはベイトリールを使うことが多いです。
その理由は、タイラバはキャストせずに真下にフォールさせることが殆どだからです。
また底取りと巻き上げを何度も繰り返すのもベイトリールの得意とするところで親指一本でタイラバをフォールさせることができるので、スピニングリールと比べて動作が少ないぶん釣りに集中することができます。
カウンターが付いているのもベイトリールだけです。
ただしキャストには結構コツが必要なので、その点はかなり練習が必要となります。
スピニングリールの特徴
- ベイトリールよりも少しだけフォールが速い
- キャストしやすい
- カウンターがない
- タイラバをフォールさせるのに両手が必要
最も大きな特徴はキャストしやすい点です。水深が浅い、潮が効いていない、そんな時はキャストして釣るのが効果的で、こういった場合はスピニングタックルの強みが活きてきます。
スピニングリールは最初の1台と言うよりは、タイラバに行く回数が増えてキャストする釣り方が多くなったら検討するぐらいで良いと思います。
電動リールの特徴
- 完全な等速巻きができる
- 巻き上げが自動なので楽
- 高価なモデルしかない
- バッテリーやケーブルなどの小物が多い
ベイトリールの一種で、電動でタイラバを巻き上げてくれます。
大きな特徴として完全な等速巻きができることと、タイラバの回収がめちゃくちゃ楽なことです。
ただし、高価なモデルしかラインナップされておらず、バッテリーやケーブルなど諸々合わせると非常に高い買い物となります。また、一般的なベイトリールよりもかなり重たいです。
特別な事情がなければ、初心者の方がいきなり電動リールを検討する必要はないと思います。
リールの種類まとめ
- 基本的にはベイトリールを使うシーンが多いので、最初の一つはベイトリールの中から検討する
- スピニングリールは、ある程度タイラバに行くようになって、キャストする必要性を感じてからでOK
- 電動リールは、地元エリアが電動リール主体とかじゃない限り検討不要
②ボディサイズ
タイラバに使うベイトリールの番手はだいたい150ですが、実際にラインをどれだけ巻くことができるかが重要で、PEラインの0.8~1.0号を200m以上巻けれる必要があります。
この辺りは各社からタイラバ用として発売されているモデル、具体的にはエンゲツや紅牙を選べばまず失敗はしません。



エンゲツや紅牙だと予算オーバーと言う人もいると思うので、後ほど安くても問題なく使えるリールをご紹介します。
ボディサイズに関するまとめ
- PEラインの0.8~1号を200m以上巻くことができるモデルが望ましい
- タイラバモデルのリールならPE1号は200m巻けれるが、100サイズのモデルもあるので選ぶ時には注意する
③ローギアとハイギア
「ローギアしか必要ない」と言う人もいれば「ハイギアの方が感度が高い」と言う人もいます。
どちらの言い分も正しいのですが、初心者向けに絞って言うとローギアをおすすめします。
ローギアとハイギアの特徴はこんな感じです。
ローギアの特徴
- 丁寧な等速巻きをしやすい
- 良型の魚がヒットしても巻き上げやすい
- タイラバの回収に沢山巻く必要があるので深場だと腕が疲れる
- ハイギアと比べると潮の利き等の違和感を感じ取りにくい
ハイギアの特徴
- 速く巻きやすく誘いに変化をつけやすい
- 巻き抵抗が強いので潮が効いている等の違和感を感じ取りやすい
- スローに等速巻きする時は神経を使う
- 良型の魚がヒットしたら巻き上げで腕が疲れやすい
このように、両者相反する特徴がありますが、初心者の方には以下の理由によりローギアをおすすめします。
ローギアをおすすめする理由
シビアな状況でスローかつ丁寧に巻かないとダメな時は、間違いなくローギアの方が丁寧に巻けます。ハイギアでもメチャクチャ丁寧に巻いたら良いじゃないかと思うかもしれませんが、ローギアでメチャクチャ丁寧に巻いた方がより精度が高いです。
また、ハイギアで一日中スローかつ丁寧に巻くのは集中力が必要です。シビアでアタリの少ない日は集中力が切れて雑な動きをしてしまいがちですが、ローギアだと少々雑な動きをしてしまってもハイギアと比べて丁寧に巻けています。



ハイギアのメリットもありますが、まずはローギアで手堅く釣りつつ、基本の動作をマスターしていくことをオススメします。
ハイギアを選ぶのもアリ
ここまでローギアを推奨してきておいて言うのも何ですが、初心者でもハイギアの方が良い場合もあります。
それはメインエリアが常々80mを超えるような深い場所だったり、ドテラ流しでラインを沢山流すようなエリアで釣りをする場合です。ラインが大量に出ていくエリアではタイラバの回収にハンドルを沢山回す必要があり大変疲れます。この点はハイギアだと圧倒的に楽なので、メインエリアが深場が多いと分かっているのであればハイギアを選ぶのもアリです。
ローギアとハイギアのまとめ
- 初心者の人にはローギアがおすすめ
- ローギアの方がシビアでスローな誘いが必要な時に丁寧な等速巻きをしやすい
- 深場メインであればハイギアを検討するのもアリ
④ダブルハンドルとシングルハンドル
初心者向けに絞って言うと、ダブルハンドルをおすすめします。
ダブルハンドルは、シングルハンドルよりも巻き上げ時のバランスが良いので、丁寧に等速巻きしやすいことや、タイラバを回収する時に手が疲れにくいメリットがあります。
シングルハンドルのメリットは、巻き上げる時に力を入れやすいので大物がかかったときの余裕があります。とは言うもののダブルハンドルで大型の魚がヒットしたらキャッチできないと言うわけではありません。
ですので、魚が掛かった後の巻き上げに不安があればシングルハンドルを選べばよいですが、やはり魚を少しでも多く掛けるために丁寧な等速巻きができるダブルハンドルをオススメしています。



この他にも、ハンドルの長さや形状でも使用感が変わりますが、ほぼボディサイズに比例するので、最初はそんなにシビアになる必要はないと思います。
ダブルハンドルとシングルハンドルに関するまとめ
- シングルハンドルの方が力強い巻き心地
- ダブルハンドルの方が巻き上げ中のバランスが良い
- 初心者には丁寧な等速巻きをしやすいダブルハンドルがおすすめ
⑤カウンターの有無
さて、リールの種類をベイトリールに絞ったので、今度はカウンター付にするかどうかです。
カウンター付リールの特徴
- ラインの放出量が分かる
- 巻き上げ速度やフォール速度の分かるモデルがある
- カウンター無しのモデルより若干高価
- カウンター無しのモデルより若干重い
カウンター付リールを買う際の注意点
カウンターが付いてても、実はメーカーや価格帯の違いでカウンターの機能差があります。これを知らないと、高いリールだから付いているだろうと思った機能が、買ってみてから付いていないことに気付くなんて失敗もありえるので注意が必要です。
- 糸の放出量の表示
- 巻き上げスピードの表示
- フォールスピードの表示
- アラームの有無
①の糸の放出量の表示は、すべてのカウンターに搭載されている機能です。
②の巻き上げスピードの表示は、実売が2万円以上のクラスから搭載されています。
③のフォールスピードの表示は、シマノとダイワ限定。クラスと言うかモデルによって表示の有無が変わってきます。
④のアラームは、色んなアラームがありますが、タイラバの回収中にあと数mで巻き切るのを知らせてくれる船べりアラームが少し便利という程度なので、巻き上げスピードやフォールスピードの表示と比べれば、そこまで欲しいという機能ではないです。
初心者の人はカウンター付のモデルがおすすめ!
僕はいつも初心者の人からカウンターの必要性について聞かれたら、必ずカウンター付のモデルをおすすめしています。
その理由は、カウンターが付いていることで、周りの釣り仲間と詳細な情報共有ができるからです。タイラバはチーム戦なので同乗者と情報交換し、協力しながら釣っていくことで互いに数を伸ばすことができます。
例えば、ラインの放出量が分かることで、ラインが何m出ているうち何m巻いたところでアタリがあったかを共有できますし、巻き上げ速度が分かるモデルであれば巻き上げ速度も共有できるので、情報を絞り込んで魚を狙うことができるわけです。



僕は初心者のころカウンターの無いリールを使ってました。同乗者がヒットした時に「底から15m、スピードは3」と言ってるのですが、あまり参考にならず苦い経験をしたことがあるので、初心者の人には少々奮発してでも巻き上げ速度の分かるモデルを買って使ってほしいと思います。
若干重くなるけど気にはならない理由
カウンターが付いている分、若干重くなってしまいますが、この点については正直気にする必要はありません。
アジングやエギングであればリールの軽さやバランスは非常に重要ですが、タイラバにおいてはそこまでシビアにならなくても大丈夫です。
例えばシマノのエンゲツ150HGは約220g、カウンターの付いてるエンゲツプレミアム150HGは250g、上級者がよく使っているオシアコンクエストはカウンター無しで275gです。こう見ても極端に重いリールでなければ問題はないのが分かると思います。
あと実際に持ってみると分かるのですが、重たさに関してはリールよりロッドの方が何倍も気になると思います。
カウンターの有無まとめ
- 予算に余裕があればカウンター付がおすすめ
- カウンター付のリールは周りと正確な情報を共有しやすい
- カウンターの機能がモデルによって違うのでよく確認しないと失敗する
- カウンター付の方が若干重いけどそこまで気にしなくて大丈夫
⑥ドラグの音の有無
ドラグの音と言うのは、大型の魚がヒットして、ラインがスプールから引っ張り出された時に「ジリジリジリッ」と心地よいクリック音がすることです。
スピニングリールだったら当たり前のように付いているのですが、ベイトリールの場合はエントリーモデルだとドラグのクリック音がしないものばかりです。
で、クリック音が必要かどうかと言う話ですが、ぶっちゃけ音が鳴っても鳴らなくても釣果自体の差はありません。実用的な話としては大物がヒットした際に、クリック音で大物が釣れてるのが周囲に伝わるので何も言わずにタモを持ってきてくれるぐらいでしょうか・・・
ただ、実用性は置いといて、大物が掛かってドラグの音が鳴ると興奮度Maxですし、結局クリック音の鳴らないリールを買うと、必ずと言ってよいほど後でクリック音の鳴るモデルが欲しくなります。(周りが鳴らしまくるので)



あとで買い替えるぐらいなら最初からクリック音の鳴るリールを買った方がよいと思うので、結構慎重に選ぶ必要があります。
ドラグの音に有無に関するまとめ
- ベイトリールのエントリーモデルは基本クリック音が鳴らない
- クリック音の有無は釣果に影響しない
- 後からクリック音のするモデルを欲しくなるのであれば、最初から検討してみた方が良い
⑦フォールレバーの有無
フォールレバーと言うのはタイラバのフォールスピードをコントロールするためのレバーで、シマノのリールにしか搭載されていません。
ある程度タイラバをやっている人だと経験があると思いますが、タイラバは巻き上げ中だけでなくフォール中にも沢山アタリがあります。
通常タイラバの誘いは巻き上げだけなので、カウンターの巻き上げ速度の数字を参考にしたりしつつハンドルを回す速さを変えて魚の反応を探ります。これに対し、フォールレバーを使った釣りはフォール自体も誘いの一つとしてフォールスピードをコントロールします。
フォールレバーの具体的な使い方
- 底を取るまではフォールレバーをフリーにしてタイラバをフォールさせる。
- 底が取れたら通常通り20回なりハンドルを回転させて誘う。
- フォールレバーを絞りフォールスピードを遅くコントロールする。
- ②に戻り、③のフォールスピードを変えて魚の反応を探る。
- 反応が無い等でタイラバを入れなおす時はフォールレバーをフリー戻して回収する。
詳細は以下のSHIMANO TV公式チャンネルの動画の方がイメージしやすいと思うので、参考になさってください。



ちなみに親指でサミングしてスプールを抑えてブレーキをかければ同様のこともできると考えると思いますが、初心者にはサミングでの微調整は非常にシビアなのでフォールタイラバに興味のある人は素直にフォールレバーのついてるシマノのリールを買うことを推奨します。
フォールレバーの有無に関するまとめ
- フォールレバーでタイラバのフォールスピードをコントロールできる
- フォールスピードに変化をつけてフォールを誘いにする釣り方で使う
- シマノのリールにしか搭載されていない
- サミングでも同様のことは可能だが初心者には難しい
①~⑦のまとめ
- 初心者の人にはローギアがおすすめ
- ローギアの方がシビアでスローな誘いが必要な時に丁寧な等速巻きをしやすい
- 深場メインであればハイギアも検討するのもアリ
- ボディサイズはタイラバ用リールから選べば概ね問題ないが、PE0.8~1.0号が200m以上巻ければOK
- シングルハンドルよりもダブルハンドルの方が等速巻きしやすく、高速巻きしても疲れにくい
- ドラグのクリック音はあってもなくても釣果に差は出ないが後から欲しくなる
- フォールレバーはシマノ限定、サミングでも同様のことが可能だが難しい



それでは改めてコスト別におすすめのリールを紹介していきますね。
タイラバ初心者へおすすめのリール:実売1万円未満
まずは、とにかく予算を抑えたい。1万円程度でリールを買いたい。そんな人向けに極力機能を絞りつつも問題なくタイラバに使えるリールをご紹介します。
AbuGarcia REDMAX船 カウンター無、ドラグ音無、2017年モデル
- 店舗標準価格: 8,800円
- ギヤ比: 7.1:1
- 自重: 222g
- ベアリング数(本体): 3
- ベアリング数(ローラー): 1
- 最大ドラグ力: 5.5kg
- 糸巻量(PE):1号-200m
- 巻上長: 74cm/ハンドル1回転
- ハンドル長:120mm
- カウンター無し
- ドラグ音無し
AbuGarcia(アブガルシア)と言うメーカーをあまり聞いたことが無いかもしれませんが、簡単に言えば外国の老舗メーカーで、1921年にスウェーデンで設立された総合釣具メーカーです。
国内メーカーのリールと違って、非常にリーズナブルな価格設定で、色んな商品を販売しています。勿論ちゃんとしたメーカーなので、安かろう悪かろうではなくしっかりした作りをしています。
AbuGarcia REDMAX船の最大の特徴は、とにかく安いので必要最低限で構わないのでリールが欲しい人には丁度良いです。
あとハンドルが120mmと長めなのも特徴的で、ハイギアなのにハンドルが大きいので、ある程度速くも巻けるうえに丁寧にも巻けてファイト中は力強いと言った味付けです。
タカミヤ ギガソルトPG カウンター無、ドラグ音無、2016年モデル
- 店舗標準価格: 9,800円
- ギヤ比: 5.1:1
- 自重: 244g
- ベアリング数(本体): 6
- ベアリング数(ローラー): 1
- 最大ドラグ力: 7kg
- 糸巻量(PE):1.5号-260m、2号-200m、3号-130m
- 巻上長: 56cm/ハンドル1回転
- ハンドル長:100mm(カタログに書いてないので実物を計った数値)
- カウンター無し
- ドラグ音無し
タカミヤ ギガソルトは釣り具のポイントのオリジナル商品です。
僕はギガソルトのハイギアモデルを持っていますが、値段の割に滑らかな巻き心地で、ドラグの滑り出しも問題ありません。カウンターが無くドラグ音が鳴らないのが寂しいですが、極力コストを抑えたいのであればベストマッチだと言えます。
定価9,800円ですが、店頭セール中は8,000円を切ってる時もあるので、Amazonで買うと言うよりは、リールを買おうと思ったタイミングで丁度セールをしていたら検討してみると良いでしょう。




タイラバ初心者へおすすめのリール:実売1~1.5万円
シマノ エンゲツBB カウンター無、ドラグ音無、2022年モデル
- 店舗標準価格: 16,800円
- ギヤ比: 5.5(ハイギアは7.2)
- 最大ドラグ力: 6kg
- 自重: 200g
- 糸巻量(PE): 0.8号250m、1号200m、1.5号130m
- ベアリング数(本体): 4
- ベアリング数(ローラー): 1
- 巻上長: 55cm/ハンドル1回転(ハイギアは72cm)
- ハンドル長:51mm(半径)
- カウンター無し
- ドラグ音無し
型番がややこしいですが、100が右巻きで、101が左巻きです。
シマノ エンゲツBBは2022年にモデルチェンジした比較的新しいモデルで、モデルチェンジに伴い最新のテクノロジーが搭載されており非常にお買い得です。
カウンターやドラグ音こそありませんが、この価格帯なのにレベルワインド連動機能が搭載されています。何それと思うと思いますが、これは大物がかかってラインが引きずり出されるときに、スプールとレベルワインドに角度がつかないようにすることで、ラインへの負荷を減らせる機能です。タイラバをフォールさせる時もスプールの端でPEが引っかかるような事も皆無でスムーズにフォールします。
あとはタイラバリールにしては珍しく、100サイズと少しコンパクトなので、手の小さめの人や女性アングラーにはおすすめです。
メインエリアは水深ないし、糸の色を見れば大体わかるのでカウンターまでは不要と言う人にはピッタリのモデルだと思います。



ちなみにダイワのリールの場合は5万円を超すようなリールにしかレベルワインド連動機能が搭載されていませんが、シマノのリールはエンゲツBBからレベルワインド連動機能が搭載されています。
ダイワ 紅牙 X IC カウンター有、ドラグ音無、2018年モデル
- 店舗標準価格: 15,500円
- ギヤ比: 4.9
- 最大ドラグ力: 5kg
- 自重: 240g
- 糸巻量(PE): 0.8号300m、1号200m
- ベアリング数(本体): 5
- ベアリング数(ローラー): 1
- 巻上長: 54cm/ハンドル1回転
- ハンドル長:100mm
- カウンター有 ※ただし糸の出ている量のみ表示
- ドラグ音無し
ダイワ 紅牙X ICは見た目に他のダイワのリールと全然違うので、少しばかりダイワの安いリール感が否めないのが玉にキズですが、普通に使う分には全く問題ありません。ハンドルの回転も想像よりは滑らかに感じられると思います。
紅牙 X ICは右巻きのパワーギアしかないので、もし左巻きやハイギアが欲しい場合は少し値引きが率が低いですがダイワのタナセンサーが殆ど同じものです。単純に右巻きのパワーギアを買うのであれば紅牙X ICの方が安くてお得です。




AbuGarcia MAX DLC カウンター有、ドラグ音無、2022年モデル
- 店舗標準価格: 14,800円
- ギヤ比: 5.8(ハイギアは7.0)
- 最大ドラグ力: 5kg
- 自重: 220g(パワーハンドルは218g)
- 糸巻量(PE): 1.5号200m、2号150m
- ベアリング数(本体): 5
- ベアリング数(ローラー): 1
- 巻上長: 60cm/ハンドル1回転(ハイギアは73cm)
- カウンター有 ※ただし糸の出ている量のみ表示
- ドラグ音無し
AbuGarcia MAX DLCの特徴は他社のリールよりもカウンターの文字が大きいことです。ソルトシールドボールベアリングが搭載され錆びにくく塩噛みしにくいというのもあります。タイラバの他にもイカメタルやバチコンなんかにも流用できます。
船べりアラームがついているので、リールの巻きすぎによるロッドの穂先の破損防止にもつながるので、釣り自体が初心者の人にはありがたい機能です。



隠れたメリットとしてロッドを選ぶ時にメーカーに縛られないという点があります。(どうしてもシマノとダイワについてはリールとロッドのメーカーを揃えたくなる傾向にあるので)






MAX DLCは型番が多くややこしいですが、簡単にまとめるとこんな感じなので参考になさってください。
- MAX DLC … 標準ギア、ダブルハンドル、右巻き
- MAX DLC-L … 標準ギア、ダブルハンドル、左巻き
- MAX DLC H … ハイギア、ダブルハンドル、右巻き
- MAX DLC H-L … ハイギア、ダブルハンドル、左巻き
- MAX DLC P … 標準ギア、パワーハンドル、右巻き
- MAX DLC P-L … 標準ギア、パワーハンドル、左巻き
タイラバ初心者へおすすめのリール:実売1.5~2万円前後
シマノ エンゲツ CT カウンター有、ドラグ音有、2019年モデル
- 店舗標準価格: 29,900円
- ギヤ比: 5.8(ハイギアは7.8)
- 最大ドラグ力: 5kg
- 自重: 250g
- 糸巻量(PE): 0.8号400m、1号330m、1.5号200m
- ベアリング数(本体): 5
- ベアリング数(ローラー): 1
- 巻上長: 58cm/ハンドル1回転(ハイギアは78cm)
- カウンター有 ※巻き上げとフォールスピードが表示される!
- ドラグ音有り
シマノ エンゲツCT にはフォールレバーと、フォールスピードの表示されるカウンターが搭載されています。勿論レベルワインド連動機能も搭載されています。
耐久性や巻き心地はさておき、機能面においては上位モデルであるエンゲツプレミアムと変わらないので、この価格帯で上位機種と同様の釣り方をできると言うのは非常にお得感が高いです。



発売から少し時間が経っていますが、機能的な面は全て揃っているので、タイラバを一通り楽しむのであれば個人的にはイチオシのリールです!


シマノ バルケッタF カスタム カウンター有、ドラグ音有、2020年モデル
- 店舗標準価格: 33,100円
- ギヤ比: 6.9(XGは8.1)
- 最大ドラグ力: 5.5kg(XGモデルは5kg)
- 自重: 225g
- 糸巻量(PE): 0.8号400m、1号330m、1.5号200m
- ベアリング数(本体): 5
- ベアリング数(ローラー): 1
- 巻上長: 69cm/ハンドル1回転(XGは81cm)
- カウンター有 ※巻き上げとフォールスピードが表示される!
- ドラグ音有り
シマノ バルケッタF カスタムはCI4プラスが採用されており、カウンターとフォールレバーが搭載されているリールの中では一番軽いリールです。当然レベルワインド連動機能も搭載されています。
エンゲツCTと似ていますが違いとしては、少しギア比が高くなっており、ミドルギアとエクストラハイギアみたいなラインナップです。
あとギア比が高くなったぶん巻き心地を考慮してハンドルが若干長く設定されていることと、パワーハンドルがラインナップされています。
ちなみに定価ベースだとエンゲツCTより少し高いですが、実売だとエンゲツCTと殆ど変わりません。



ローギアでもハイギアでもない中間のギア比に興味のある人や、CI4プラスに興味のある人はエンゲツCTではなくバルケッタFカスタムの方が向いていると思います。


シマノ エンゲツ カウンター無、ドラグ音有、2021年モデル
- 店舗標準価格: 31,500~33,100円
- ギヤ比: 5.8(HGは7.8)
- 最大ドラグ力: 4.5kg(HGは4kg)
- 自重: 205g(100HGは210g、150HGは220g)
- 糸巻量(PE): 0.8号250m、1号200m、1.5号130m(150HGは0.8号400m、1号330m、1.5号200m)
- ベアリング数(本体): 8(150HGは7)
- ベアリング数(ローラー): 1
- 巻上長: 58cm/ハンドル1回転(HGは78cm)
- カウンター無
- ドラグ音有り
シマノ エンゲツはエンゲツCTと実売価格こそ変わりませんが、カウンターを除いたあらゆるスペックで優れています。
まず最大の違いは巻き心地で、マイクロモジュールギアが適用されているのでエンゲツCTと比べると別次元です。もちろんレベルワインド連動、フォールレバーやドラグ音も有ります。
他のエンゲツシリーズと異なりボディサイズが100と150の2種類あります。100サイズのほうが手の小さい人向きですが、ラインの巻ける量が若干少なくPE0.8号を250mしか巻けないので、普段の釣り場が深場メインであれば150サイズを選ぶのが吉です。ただし150サイズはハイギアしかない点には注意です。



僕の友達が瀬戸内東部でエンゲツ100HGを愛用していますが、カウンターの必要性を感じないと言う人にはイチオシのリールだそうです。


タイラバ初心者へおすすめのリール:実売価格3万円前後
ここから紹介するのは、本当に筆者がタイラバ初心者向けにイチオシのリールです。実売価格も3万円を超えてくるので、少し敷居が高いですが予算に余裕があれば是非検討してみてください。
ダイワ 紅牙 IC カウンター有、ドラグ音有、2021年モデル
- 店舗標準価格: 42,800円
- ギヤ比: 4.8(ハイギアは7.1)
- 最大ドラグ力: 5kg
- 自重: 220g
- 糸巻量(PE): 1号400m、2号200m
- ベアリング数(本体): 6
- ベアリング数(ローラー): 1
- 巻上長: 54cm/ハンドル1回転(ハイギアは80cm)
- カウンター有 ※巻き上げとフォールスピードが表示される!
- ドラグ音有り
ダイワ 紅牙IC は、ダイワの紅牙シリーズでは一番上のモデルで、実売価格は2.7万円弱と結構な値段します。
ただ、その分リールのスペックは非常に高く、HYPERDRIVE DESIGNとダイワの次世代ベイトテクノロジーが惜しみなく搭載されています。下位モデルと比べ、リールの剛性が高く巻き心地もよく、潮の効き具合や真鯛のもたれるようなアタリも非常に分かりやすいです。
ちなみに紅牙ICはフォールレバーはありませんが、カウンターでフォール速度は分かります。
シマノ エンゲツ プレミアム カウンター有、ドラグ音有、2018年モデル
- 店舗標準価格: 44,600円
- ギヤ比: 5.8(HGは7.8)
- 最大ドラグ力: 6kg(HGは5kg)
- 自重: 250g
- 糸巻量(PE): 0.8号400m、1号330m、1.5号200m
- ベアリング数(本体): 8
- ベアリング数(ローラー): 1
- 巻上長: 58cm/ハンドル1回転(HGは78cm)
- カウンター有 ※巻き上げとフォールスピードが表示される!
- ドラグ音有り
シマノ エンゲツプレミアム はエンゲツCTと似ており、機能的にできることで言えば一緒ですが、細部のスペックが異なります。
具体的には、マイクロモジュールギアが搭載され、ベアリングの数が3つ増えていることや、こっそりピニオンギアのグレードも上がっており、耐久性・耐塩性が向上し、クラッチの耐久性も格段にアップしています。
エンゲツCTとエンゲツプレミアムで巻き心地を比べてみると、明らかにエンゲツプレミアムの方が巻き心地がよく、巻き上げ中の変化も感じ取りやすいです。
若干気になる点としては、エンゲツプレミアムもエンゲツCT同様に、2018年の発売開始から少し年月が経っているので、そろそろ新しいモデルがでるような気がします。(記事を書いている2023年1月時点ではエンゲツCT同様に新モデルの発表はありません)



シマノ or ダイワで特に拘りが無いのであれば、個人的にはフォールレバーのついてるぶん紅牙ICよりもエンゲツプレミアムの方が遊べるのでオススメです。


タイラバに使えるけどおすすめしないリール5選
この他にもタイラバに使えるリールは沢山ありますが、タイラバ用途として個人的におすすめしないリールがあるので、簡単に紹介しておきます。検討リストに入っていたのであれば検討しなおしてみてください。
タカミヤ リアルメソッド ライトステップ ボーター
安くてエントリーモデルに良さそうですがドラグの滑り出しが最低です。魚に引っ張られた時にラインが、ズルルッとは出てくれずギュッギュッと出てしまい、これではロッドテンションが急に抜けてしまうことでバラシに繋がってしまいます。その他メーカーでも定価が5千円のようなリールは基本的に避けたほうが手堅いです。
タカミヤ リアルメソッド ギネガ
アルミボディの無骨さはパッと見ダイワやシマノの高いリールと一緒に見えて良さそうですが、剛性は別次元なので期待してはいけません。パワーハンドルが欲しいのであれば選択肢の一つですが少し重いので、ギネガを買うなら1,000~2,000円足してギガソルトやエンゲツBBを買うことをおすすめします。
ダイワ スパルタンIC
タイラバにも使えるんですが、PE2号が200mも巻けれるので、逆に言うと一般的にタイラバで使うPE1号や0.8号を使おうとすると下巻きをする必要があるので結構面倒です。下巻きの調整は初心者におすすめできず、タイラバ用途として、このリールの購入を検討しているのであれば、紅牙IC XやMAX DLC、もしくは少し予算を足してエンゲツCTのほうをおすすめします。
ダイワ ライトゲームIC
カウンターが簡易カンターしかついてないのに実売が2万円以上します。同じ2万円出すのであればエンゲツCTを買った方が間違いなく幸せになれます。
ダイワ ティエラ IC
紅牙ICより高いから上位互換だろうと思って買うと紅牙ICにはついてる機能がなくて後でガッカリします。
サイズが100と言うこともあり、カウンターの付いてるリールでは最軽量で165gと軽いものの、そのぶん価格の割に機能を抑えられているような印象です。一番の難点はカウンターが付いてるのにフォール速度が表示されません。もう少し安い紅牙ICだと表示されるので、タイラバ用というのであれば紅牙ICを買った方が楽しめます。



僕は2020年にティエラICを買ったんですが、2021年にもっと安いモデルである紅牙ICにフォールスピード表示機能が搭載されててショックを受けました・・・
まとめ:
さて、ここまで価格帯別にリールをオススメしてきましたが、高機能になるほど価格も上がるので、なかなか選ぶのに悩んでると思うので、最後に個人的な切り口で厳選したものを紹介します。悩んだ方はこちらも是非参考にしてみてください。
予算が厳しいので安さ重視の場合
タカミヤ ギガソルトがおすすめです。
正直、同じ価格帯のAbuGarcia REDMAX船を実釣で触ったことがないと言うのもありますが、ギガソルトは実際自分の手元で何年も問題なく使えてるので普通におすすめできます。安くて機能が少ないものの頑丈さと言う面ではコスパ最高です。


カウンター不要で予算1万円前後の場合
シマノ エンゲツBBがおすすめです。
やはり何と言っても、この価格帯でレベルワインド連動機能が付いてるのが大きいです。とにかくカウンターやフォールレバーは我慢して、そこそこ安心して使えるリールとなるとエンゲツBBがベストチョイスだと思います。
とりあえず簡易的なカウンターが欲しい場合
AbuGarciaMAX DLCがおすすめです。
対抗馬の紅牙X ICでも良いのですが見た目がちょっと古い感じするのと、ロッドを選ぶ時にメーカーを気にしなくて良いので、それならアブのリールの方がおすすめかなと言った感じです。



僕はダイワのロッドにシマノのリールを付けても全然良いと思うんですけど、それでも気になる人は気になると思います。






予算は抑えつつ高機能なカウンターが欲しい場合
シマノ エンゲツCTがおすすめです。
実売2万円前後に対し、巻き上げのスピードやフォールスピードが分かり、レベルワインド連動機能とフォールレバーが付いてて、ドラグのクリック音も鳴る。欲しい機能が2万円で全部手に入ります。



個人的には、この記事で紹介しているリールの中では一番コスパが良いと思うので、少々予算オーバーしてでも一気にエンゲツCTまで手を伸ばしておけば、後から買いなおしが発生せず良いと思います。


カウンターは不要だけど高性能なリールが欲しい場合
シマノ エンゲツかダイワ 紅牙(2023年4月発売予定)があるので、どちらか好みで選ぶと良いと思います。
個人的にはレベルワインダー連動機能とフォールレバーの付いてるエンゲツの方がコスパが良いと思いますし、エンゲツは100サイズがあるのも魅力的だなと思います。


予算3万円以上でカウンターが欲しい場合
シマノ エンゲツプレミアムをオススメします。
対抗馬のダイワ 紅牙ICも良いリールなのですが、やはりシマノのリールの方が、レベルワインド連動機能とフォールレバーが付いている分、お買い得感があります。
2019年発売なので、そろそろモデルチェンジしそうな点が気になるかもしれませんが、それを差し置いてもエンゲツプレミアムの方が色んなことを実現しやすいので間違いなく楽しいと思います。





シマノのリールばかりオススメしてますが、決してシマノ信者と言うのではなく、現在のラインナップだと、タイラバ初心者の人にはシマノのリールの方をおすすめすることが多くなっている次第です。
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