タイラバのヘッドって安く自作できるの?
今回はこんな疑問にお答えしていきます!
この記事の内容
- ヘッドを自作した場合の費用対効果
- ヘッドを自作するのに必要なもの
- 自作には何号の錘を買えばよいか
- 具体的なヘッドの自作方法
タイラバのヘッドを自作した場合の費用対効果
タイラバのヘッドを自作したら既製品を買うのに比べどのぐらい費用対効果があると思いますか?
なんとメーカーによっては約1/5のコストでヘッドを作ることができます。
以下が具体的なメーカーの希望本体価格です。
各メーカーの希望本体価格(税込)
商品名 | 重量 | ||
60g | 80g | 100g | |
シマノ 炎月 タイガーバクバク ヘッド | 946円 | 1,045円 | 1,100円 |
ダイワ 紅牙 ベイラバー フリー ヘッドα | 770円 | 891円 | 891円 |
桜幻 鯛ラバーQ2 シンカー | 715円 | 770円 | 825円 |
メジャークラフト 替乃実 | 429円 | 462円 | 495円 |
あらためて見てみるとメジャークラフトのコスパは凄いですね。
続いて自作した場合です。工具などを除いた材料費だけの概算です。
自作した場合(100g相当)
塗装なし | 塗装あり | |
保護パイプなし | 122円 | 307円 |
保護パイプあり | 123円 | 308円 |
なんと一個あたり308円で作成できます!
一番高いシマノのヘッドとの差額は792円で、自作すると1/3以下のコストとなります。
一番安いメジャークラフトのヘッドと比較しても、まだ187円安くできます。
塗装不要なら一個あたり123円とさらに安いです。
【計算内訳】
オモリ
・関門工業 鯛玉鉛2 鯛玉オモリ2 100g×2個入 243円
ヘッド一つあたり単価:243円÷2=121.5円
保護パイプ
・セリア ロリポップスティック 110円 100mm×50本入
ヘッド一つあたり必要長さ:29mm
1本で作れる個数:100mm÷29mm=3個
1袋で作れる個数:3個×50本=150個
ヘッド一つあたり単価:110円÷150個=0.73円
アイ(目玉)
・セリア(薦田工業) キラキラデコシール 150mm×150mm 5枚入 110円
1袋で作れる個数:100個以上
ヘッド一つあたり単価:110円÷100個=1.1円
塗装 ※100個以上は塗れると想定
・三菱鉛筆 プロッキー 1本 165円
・セリア 水性ニス 1個 110円
・セリア ガラス瓶 1個 110円
・ウレタンフィニッシャーEX110ml 1,066円
・EX塗料共通うすめ液100 392円
合計 1,843円
ヘッド一つあたり単価:1,843円÷100個=184.3円
トータル一つあたり単価
121.5円+0.73円+1.1円+184.3円=307.63円
自作したタイラバのヘッドでも問題なく釣れるのか?
結論から言うと問題なく釣れます。
理由は、ヘッドの塗装の上手い下手よりも、ヘッドの重さ・リトリーブスピード・ネクタイ形状など方が影響が大きいからです。
ですので、自分は不器用だと思って人でも、完成度はそこまで気にしなくてOKです!
これ言うと身も蓋もないんですが、ヘッドの塗装が下手であろうが剥げてようが普通に釣れます。
タイラバヘッドを自作するための素材
関門工業の鯛玉オモリを使います。
最初からタイラバのヘッドとして使いやすい位置に2mm程度の穴が開いています。
重量別に買い揃えるだけに留めるなら、ばら売りのもので十分ですし、逆に大量に作る人は1kgの徳用パックの方が安いです。
塗装と保護パイプが不要な人はこのままでも使えます。
【号:グラム換算表】タイラバヘッドの自作に何号の錘を買うべきか
錘の重さの単位は号数なのでグラムに換算してやる必要があります。
号:グラム換算表
号数 | 10号 | 12号 | 15号 | 18号 | 20号 | 25号 | 30号 |
グラム数 | 37.5 g | 44.4 g | 56.25 g | 67.5 g | 75 g | 93.75 g | 112.5 g |
選び方としては、仮に市販品の60g相当を作りたいと考えた場合は、15号(56.25g)か18号(67.5g)を買います。
グラム数が近い方を選べばよいのですが、選択に迷った場合は自作したいグラム数より重い方をチョイスしたら手堅いです。
タイラバは底取りが重要なので、大は小を兼ねる形で選ぶ考えで良いと思います。
タイラバのヘッドの詳しい作成手順
それでは、ヘッドの詳しい作成手順に入ります。
保護パイプは不要だなって思う場合は、塗装まで飛ばしてもOKです。
タイラバヘッドの自作工程
- 保護パイプの取り付け
- アイ(目玉)の作成
- 塗装とウレタンコーティング
①タイラバヘッドへの保護パイプの取り付け方
保護パイプの材料となるものを手配します。
色々ありますが、セリアのロリポップスティック(外径3.2mm×内径1.6mm)、ナカジマのパイプキット(外径4.0mm×内径2.0mm)がコスパ高いです。
注意点としては、タイラバを箱掛けで接続している人は、内径が2mm以上あるパイプを選んでください。内径が細いとシーハンター10号以上だと結び目の部分がパイプを通ってくれず使い勝手が悪いと感じます。もちろん箱掛けではなくユニノットなどで接続する場合は内径1.5mmでも問題ありません。
ちなみにリーダー3号、シーハンター8号の箱掛け接続は、ロリポップスティック(内径1.6m)でも全然大丈夫ですが、4号以上のリーダーやシーハンー10号以上をだと通りづらいので、心配であれば以下の内径が2mm以上あるパイプを使うことをおすすめします。
内径2mm×外径4mmのパイプ
電動ドリルを使い、最初から鉛に開いてる穴を広げます。
ちなみにピンバイスで穴を広げようとするのは無謀です。
穴の広げ方の一番のポイントは、いきなり大きなドリルの刃を使わないことです。2~3回に分けて少しずつ穴を広げないと穴の位置がちゃんと真ん中になってくれないことが多々あるので注意です。
あと、一気に突っ込むと詰まるので、少しずつ鉛を削っては穴から出すようなイメージで広げていくとスムーズに穴を広げられます。
貫通したてのヘッドは、ドリルの刃は通るのにパイプがほとんど入らない状態ですが、鉛が摩擦熱で膨張しているだけなので、冷めると丁度ギリギリでパイプが通るぐらいになります。
それでもパイプが通りにくければ、ドリルを回さず出し入れだけして細かく削って調整します。
ここでスカスカになっても、一応後から補修できますが、できるだけ慎重に作業すると良いでしょう。
ドリルで穴を広げたら、鉛がはみ出してる部分があるので180~240番程度のやすりでバリを取ります。あわせて他のバリもあれば一緒に削ります。
紙やすりはダイソーよりAmazonで買った方がコスパが良いです
ヘッドにパイプを突っ込んで、ちょうどよい長さで切ります。
パイプの長さは、穴から少しはみ出る程度です。今回は30号の錘で29mm。
ニッパーでパイプを切ると切り口が少しへしゃげるのでニッパーで軽く挟んで修正し、荒くなった切断面はサンドペーパーなどで整えてやると良いでしょう。
②タイラバヘッドのアイ(目玉)を作る
2022年6月現在だとセリアなどで売られている薦田紙工業の「キラキラデコシール」がオススメです。以前はダイソーにも同様のシールがあったのですが、最近は見かけません。
ちなみにダイソーのステッカーホログラム(29.5mm×29.5mm)はシールが分厚くクラフトパンチで抜きにくいです。あとホログラムちよ紙もパンチで抜けないので使えません。
円形のクラフトパンチを買います。これはダイソーに直径14mmのものがあります。少し切れ味に当たりはずれがありますが概ね問題ありません。はずれを引いたと思ったら買いなおしてもいいかと思います。
ちなみにカール事務器の直径15mmのクラフトパンチを買ってみましたが、さすが600円以上するので切れ味がバツグンです。(ただし、これでもダイソーのステッカーホログラムを抜くのは難しめ)
記事投稿した後日、17mmのパンチが欲しかったので「DECOP ペーパーインテリジェンス スタンダードパンチ サークルの17mm」を買いましたが、こっちの方がカール事務機のものより切れ味が良かったです。
コツは「勢いよく」「ケチケチせず」です。
ゆっくり押すとグニャっとなりがちですし、すでに開いてる穴のすぐ横に穴を開けようとしても失敗の原因になるので、ケチケチせずに少し余白をとりつつ勢いよく穴を開けます。
少しもったいない感じもしますが、余白をとりつつ勢いよくバチっと抜くときれいに抜けます。
③タイラバヘッドへ塗装する
色を塗るにしろ、トップコートをするにしろ乾燥させる場所が必要です。
適当な大きさの段ボールを使って、こんな感じの簡易的な乾燥ボックスを作ります。
こんな形に針金を曲げてヘッドを吊るすようのフックを作ります。
針金はダイソーのもので十分です。
今回は1.6mmの太さを使っています。この太さを使う理由は保護パイプの中に極力トップコートを入れないためです。(ロリポップスティックの内径は1.6mm)
もっと太い保護パイプを使う場合は、針金だけだとスカスカになっちゃうので、針金にマスキングテープを巻いて調整してあげると良いです。
マジックペンで色塗りします。油性よりも水性の方が色むらが発生しにくく塗りやすいです。
僕のお気に入りはプロッキーの赤と黄と緑。下塗りせず鉛に直接塗るとよい感じにギラっとします。乾燥したらお好みで重ね塗りします。
プロッキーが無ければ水性マッキーでも問題なし。どちらも文具屋に行けば1本150円程度で買えます。
何色のヘッドを作ればよいか悩んだら、まずは暗いカラーと明るいカラーで作ってみてください。
暗いカラーは赤や黒。明るいカラーは白や蛍光オレンジと言った感じです。
基本、何色でも釣れますが、ネクタイやスカートと明暗を揃えてやるとよいでしょう。
蛍光色を作りたい場合は缶スプレーを使います。マジックペンに蛍光色がないからです。
この場合、プラサフ等で白地の下塗りを行います。というのも下塗りをしないと極端に発色が悪くなってしまうんですよね。
蛍光カラーのスプレーはタミヤのスプレーが安くておすすめです!
アイにバリがあるなら軽くハサミで切って整えてから貼ります。
真ん中に貼りにくい場合はピンセット使うと作業性が上がるのでおすすめ。
ヘッドに保護パイプを通します。
この時に、ヘッドに塗った色が取れないよう注意します。色が取れたらスポットで補修してください。
ドリルで穴を広げすぎると保護パイプが止まらずスカスカになります。
この場合は、保護パイプに少し接着材をつけてからヘッドに差し込めば大丈夫です。パイプに接着剤を付けると言うよりも、穴の中に接着剤を塗るようなイメージです。
PTFEチューブを使っている場合は接着剤が付きにくいので、鉛の削りカスをヘッドの穴に入れてこびりつけてやると、スカスカが少しマシになります。
色止め目的で、水性の透明ニスにドブ漬けします。
写真ではロックペイントの水性ウレタンニスを使っていますが、水性の透明ニスはダイソーやセリアにも売られています。この場合ドブ漬けするには口が狭いので一緒に百均で適当な小瓶を買って、それに水性ニスを注いでドブ漬けさせると良いでしょう。
ダイソーの水性クリアーのスプレーでも大丈夫であることを確認しました。透明ニスは案外高いのでスプレーの方がオススメです。スプレーを買う際は間違って油性スプレーを買わないよう注意してください。
水性ニスにドブ漬けしたらこんな感じで乾燥させます。
ドブ漬けして1~2分ぐらいしたら、ヘッドの下側に液体が集まってるのでキッチンペーパーなどで軽く拭き取ります。
乾燥したら、同様にドブ漬け→乾燥を2回おこないます。
色止めが面倒な場合は、東宝産業のダイアカラーで色を塗る手もあります。
色止めせずにウレタンコートにドブ漬けしても色流れしにくいです。
色むらができやすいので、ダイアカラー専用うすめ液で薄めながら使います。
スプレーと比べコストは上がりますが手間を省きたい場合は試してみてもいいと思います。
タイラバは常に底取りする釣りなので強いトップコートが必要です。
今までに安くコーティングを仕上げようと、色々試しましたが以下のような失敗談を経て、現在はウレタンコートのドブ漬けにたどり着きました。
失敗談
- 百均のマニキュアのトップコート
瞬殺。話にならず。薄いし強度もなく全く守ってくれない。 - UVレジン
すぐにコーティングの下に海水が入り込み、徐々に浮いてくる。 - エポキシボンド
ドブ漬けではないので塗りムラができやすく薄いところから破れる。何より見た目が悪すぎ。
ウレタンコートは安くて強度に定評のある東邦産業のウレタンフィニッシャーEXの110mlがオススメです。
ちなみに、同製品の10ml、40ml、130ml、200mlは口が狭くて30号のヘッドが入らないので注意してください。
ドブ漬けしたあとは、4時間程度たてば手で触れる程度には硬化しますが、夏場は半日、冬場は1日以上乾燥させてください。
硬化したらさらに追加で2回ほどドブ漬けしたら完成です!
2回でも市販のタイラバヘッドより硬いぐらいで、トータル3回もすればタングステンヘッドであっても塗装が取れることは殆どなくなります。
1液ウレタンコートは水分に反応して固まります。
使用方法や保管方法を誤るとすぐに便の中身が硬化して使い物にならなくなるので注意です。
使用上の注意
- 湿度の高い日にウレタンコートの蓋を開けると湿気の多い空気が入ってしまい、便の中身の硬化が進んでしまうので、ウレタンコートはできるだけ湿度の低い日に使ってください。
- できるかぎり蓋が開いている時間を短くします。
- ヘッドをドブ漬けする時にはヘッドに水分が残っていないことを確認してからドブ漬けします。
保管
- 使用後は瓶と蓋の間に付着した塗料を拭いてからしっかり蓋を締めます。きれいに拭いておかないと固まったウレタンのせいで隙間ができて空気が入りやすくなります。
- 保管中にビンの中の空気が少なくなるようにビー玉などを入れてやると良いです。最初から10個ぐらい入れても大丈夫です。
- ネットで冷蔵庫内での保管する方法を見かけますが、冷蔵庫に出し入れすると結露で水分が入ってしまうので、冷蔵庫ではなく冷暗所で保管しましょう。
- 完璧を目指すならジップロックに乾燥材と一緒に入れておきましょう。湿度10~11ぐらいをキープするので水分とは無縁です。
まとめ:タイラバヘッド自作に関するまとめ
少し長い記事になってしまいましたが、タイラバのヘッドを自作する方法をご紹介しました。
タイラバを始めたての頃に、いきなり色んな重さのヘッドを揃えようにも沢山の出費がかかり、なかなか揃えられないと思いますし、根掛かりでなくすこともあると思います。
自作は少し面倒ですが、まとめて10個ぐらい作れば思ったほど手間もかからないので、ぜひヘッドの自作にチャレンジしてみてください。